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人生の転機となったクソ辛い過去を短編自伝小説風に書いた|EP①「無銭カツアゲ暴行事件」

自伝的短編小説「無銭カツアゲ暴行事件」アイキャッチ
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今では笑い話。でもあの時は……

初めての方も、俺的デザインログを定期的に読んで頂いている方も、いつもありがとうざいます。

どもども、デザインブロガーPEITAです。

この短編自伝ブログ小説「Laugh away the past 〜過去を笑い飛ばせ〜」は、俺の人生で一番辛い経験をした過去を書き記した【ドキュメンタリーブログ】です。

今回は、俺が16歳の時に、夢を追いかけて長崎県五島列島という島から、人生の拠点を大阪に移し、その生活に少し慣れてきた時に起こったガチな出来事です。


無銭カツアゲ暴行事件

「こんなことして、なんになるんですか?」

今の俺なら、きっとそう言えた。

でも、あの時の田舎者の少年であった俺は言えなかった。

大阪の生活に少しだけ慣れ、とにかく”生きていく”ということを自分でどうにか確立できるようになってきた頃、学校やかったるいコンビニのバイトを終え、レンタルビデオ店でうっふんなビデオを借り、精力的な活動へと胸を弾ませながらの帰り道。

それは起きた。

タバコの吸い殻やお菓子の袋なんかが当たり前のように散らばっている歩道の上を、若いパツキンチンピラの兄ちゃん(推定20歳)が原付きバイクに乗って俺の目の前にいきなりブロロローン!っと現れた。

パツキンチンピラ兄ちゃんは原付きごと歩道に乗り上げているので、俺の前方はそれで塞がれているという状況に。

何がなんだか全く状況が掴めないままポカーンとしていると、パツキンチンピラ兄ちゃんがすかさず口を開き、「コラわれ!!俺のバイクに当たったんちゃうんか?」と怒鳴り散らしてきた。

いきなりのことで頭の中が台風でも吹き抜けていったかのうよに真っ白になってはいたが、「バイクに当たった」ということが、完全に事実無根なことだけは容易に理解できた。

「いや、当たってませんけど…」と、その場を丸く収めようと、できる限りの低姿勢で、丁重に伝えたが……

「わしが当たったって言うたら、当たっとんねん!」と、訳のわからない理屈を俺に投げつけてきた。

どうやらその若いパツキンチンピラの兄ちゃんには脳みそがないらしい。それかもしくは、シンプソンズのフォーマー並の脳みそ(以下に参考画像あり)しか持ち合わせていないように思えた。

画像引用元|FANDOM

到底そんな理屈が通らないのがこの世の中だが、当時の俺は素直な良い子であり、右も左も分からない無垢な田舎者の少年だったので、パツキンチンピラの兄ちゃんの要望に少しでも近づけるように努力をしようと、「すみません。どのあたりに当たっちゃいましたかね?」と歩み寄った。

しかし、「なんや!文句あんのんか!いてもうたろか、コラ!」と、どこに当てたのか?という質問には対しての返答は一切してもらえず、非常に荒々しく俺をさらに威嚇してきた。

「金や!金あんねんやろ!それで解決や!早よ出せや!」

五島列島という田舎町から単身出てきて、自分の明日がどうなるかさえ、さっぱり分からない無垢な少年に対して、大阪という街は容赦がなかった。

恐ろしいまでに響き渡る怒号にアタフタしながらも、初めてバイト先からもらった給料で買った財布をバッグから取り出し、財布の中身を開き、パツキンチンピラ兄ちゃんに見せた。

「でも、ほら…お金ないんですよ。」

財布の中には200〜300円ほどしかなく、パツキンチンピラ兄ちゃんの自分よがりな理屈で提案された妄想接触事故をお金で解決したいという要望に応えることが本当にできなかったのだ。

先ほどのレンタルビデオ店でうっふんビデオを10本ほど、コンビニでありったけのお菓子やジュースを買い込んで、1人の休日を最大限に楽しもうとしていた矢先の出来事であったため、財布の中身はほぼほぼ空っぽだった。

「な……なっ…なんやわれ!な……なめとんのかボケ!いてまうぞ!ほんまにいてまうぞ!」

少々慌てた様子で俺を再度威嚇するパツキンチンピラ兄ちゃん。

「こんなことして、なんになるんですか?」

今の俺なら、きっとそう言えた。

でも、当時の俺は言えなかった。

いや、言おうと思った。

意を決して言おうと思った次の瞬間………

いきなり後ろから肩をグッと掴まれて、「当たったんなら、弁償するんが筋とちがうんか?」とパツキンチンピラ兄ちゃんのお連れの方が、満を持してご登場。

「おいおいマジかよ、嘘でしょ…神様……」

正面にはメンチを効かせながら、いつ俺に飛びかかってきてもおかしくないパツキンチンピラ兄ちゃん1号、そしてすぐお隣には、いつ俺の耳を噛みちぎらんとするくらいの超近距離(推定射程距離1cm)のパツキンチンピラ兄ちゃん2号。(以下、パツキン兄弟、もしくはパツキン1号/2号)

「俺……完全にリンチにされる…」

そう思った途端、急に血の気が引いて怖くなったのをしっかりと覚えている。

でも大丈夫!幸いなことに、ここは大阪でも有数のビジネス街(大阪/四ツ橋)。仕事帰りのサラリーマンやOLたちの多くが帰宅の途につこうとしている時間帯でもあったので、周りにはたくさんの人!人!人!人!

そして、相当にイカれたパツキンチンピラ2人に囲まれて怯えている無垢な少年。

見れば誰でも即座に状況は把握できる。

さぁ!大人たち!俺を助けるんだ!

…………………………

………………

しかし、待てど暮らせど一向に誰も気づかない様子なので、とりあえずこの緊迫した狂気な三角関係を誰かに気づいてもらおうと、俺は無我夢中であたりをキョロキョロ見回し、行き交うビジネスマンの視線に目を合わせようと必死になった。

「誰か!ほら!助けて!マジでやばいんだって!」

…………………………

………………

当時の大阪のヤンキーと言えば、1990年代から2000年代に突入すると爆発的に増える”ギャル男の末裔”であるとも言える存在。

俺が足を踏み入れた時代の大阪は、まさに”ヤンキー終末期”でもあった。

つまり、”ヤンキーの生き残りをかけた戦い”がそこにあったのだ。

しかし、そんなヤツらのことにかまってられるほど、ビジネス街で奔走している大人たちは暇じゃないのだ。

誰一人、俺の顔すら見ようとしない。

というか、視界に入っていながら“気づかないフリ”をしているに過ぎない。

俺とパツキン兄弟の“緊迫した狂気な三角関係”なんて、“知らぬが仏”みたいなもの。

俺には少なくともそう見えた。

「誰も、助けてくれないんだ」

そう悟った時、心臓がバクバク大行進を始めながら「今日で、あなたの人生は終わりです」と言わんばかりの恐怖心が、頭のてっぺんから足の指先までを支配して、この世界には俺とパツキン兄弟の3人しかいないような、絶望的な世界観を自分で作り上げてしまい ー

完全なディストピア状態。

そして、人生詰んだかもしれない。

緊急ニュース速報 ー

おはようございます。今朝、入ってきたニュースです。

大阪府四ツ橋のビジネス街で、めっちゃ田舎者の少年に集団暴行を加え死亡させたとして、大阪府警は、傷害致死の疑いで20代の金髪の男2人を逮捕しました。傷害致死の疑いで逮捕されたのは、大阪府に住む無職・パツキンチンピラ兄ちゃん1号容疑者(20)、同じく大阪府に住む無職・パツキンチンピラ兄ちゃん2号容疑者(20)の1号2号です。四ツ橋のビジネス街で、 めっちゃ田舎者の少年の脇腹や顔を殴る蹴るなどの暴行を加え死亡させた傷害致死の疑いが持たれています。暴行を受けた めっちゃ田舎者の少年は、長崎県五島列島から”小さな夢と、ほんの少しの希望をポケットに詰め込んで、大阪に越してきたばかり”だと言うことです。救急隊らが駆けつけた時には、すでにめっちゃ田舎者の少年は意識不明の重体。同日、めっちゃ田舎者の少年は病院で死亡が確認されました。

パツキン兄弟2人は、警察の取り調べに対して「金銭トラブルがあった」などと供述し、容疑を認めてるということです。

この事件に対してインターネットでは「今どきリンチとかほんと情けない」「2対1とか酷すぎ」「リンチとかマジでひどい!」「暴力でしか解決できない糞ガキ」などと怒りの声が多数見られました。

今後も、事件に至った経緯や犯行動機などについて詳しく捜査を進める方針です。

……背筋が凍った。

絶望的な未来が俺の脳裏に鮮明に映し出された。

”集団リンチされて死ぬ”、それがまさに今“自分が被害者となって、起きるか?!起きないか?!”の瀬戸際に立たされたデッドオアアライブ。

つまり、賽は投げられたのだ。

逃げるか?戦うか?

お金を払うか?

いや、お金…200〜300円しかないから無理だった。

「どうする俺?!」

「あぁ…マジで死にたくないんだけど…」

自分の置かれた状況が、怖くて怖くてどうしようもなく、「死ぬかもしれない」と心底恐怖に慄(おのの)いていた。

そんなドギマギした俺の状況を見兼ねたのか、パツキン2号の電光石火の脇パンチが、俺の選択権無視して飛んできた。

そうなると、誰も俺を止められない。

電光石火の脇パンチをひらりと見事に交わした俺は、そのままパツキン2号の背後に周り、かかとを振り上げ、そのままパツキン2号の膝裏に振り下ろした。

「痛ッ?!」と、パツキン2号の膝が折れ、地面に膝をつくやいなや、俺はそのまま背中に周り、「ええかげんにせぇよ」と捨てゼリフを吐き、パツキン2号の首びをドンッ!

パツキン2号が床に倒れたの確認する間もなく、俺は勢いそのままにパツキン1号に飛びかかった……

…………………………

………………

という夢から覚めたのは、それからすぐのこと。

いつの間にか、俺は固いアスファルトの歩道の上に、首を車道の方に向けながら仰向けで寝転がっていた。

…………………………

………………

一瞬でフルボッコになっていたのか。

はっ!と起き上がろうとした瞬間!

「痛っ……?!」

完全に脇腹に一発、そして腹部、そして顔、そして足、言い出せばキリがないほどに全身に今までに経験したことがない痛みが走っていた。

何十キロもの重りを体中に巻き付けたような感覚の中、起き上がり、そしてなんとか帰宅した。

帰宅後に、財布からテレホンカードだけが抜き盗られていたことに気づいた。

……お金は無事だった。

先に言ってくれれば、お金の代わりにテレホンカードくらい渡したのに……

“テレホンカード=血みどろの暴行”

こんなの割りに合うわけない。

その代償はあまりにも大きく、俺の大阪での生活に、漠然とではなく、確実に不安と恐怖を植え付けた。

そして、

…………………………

それから数日後、

………………

俺の髪の毛の色は神々しいまでの黄金に染まった。

最後に

いかがだったでしょうか?

特に面白くもなく淡々と思い出しながら、ウル覚えの部分は少し盛り気味ですが、ガチの出来事です。本当にあの当時、大阪という街が怖くなって、それを払拭するかのように、一心不乱で”初めてのブリーチ”をした記憶は本当に身震いするほど鮮明な感覚として残っています。

”大阪に馴染む”=”パツキンになる”

パツキンにしてから、ヤンキーに絡まれることはなくなりました。

あの当時は、これが郷に行けば郷に従うということなんだと思いました。

今では笑い話。でもあの時は……本当に辛かったです。←はははははは(笑)

ということで、他にもたくさんある中のクソ辛い過去の話をひとつご紹介させて頂きました。

「そんな人生もあるんだ」というあなたのちょっとした人生の参考になれば幸いです。←なるかボケ!(笑)

最後まで読んで頂きありがとうございます。

では、またお会いしましょう。

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